Mission & Activity







レーザーを医療に橋渡す研究室として


粟津教授

  1960年に初めてLaserが発振されてから早50年が過ぎた。Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭文字をとり、その発振と共に生まれたLASERは、現在産業・医療を始め欠かせない存在になっている。ただLASER(レーザー)と一言で言っても、今ではX線領域~紫外~可視~赤外領域という極めて幅広い波長範囲において、百種類以上にに及ぶレーザーが開発され、数Wを超える高出力の加工用ものから、GHz(ギガヘルツ)を超える高繰り返しの光通信用まで、多種多様なレーザーが身近な存在になってきた。

   これは医療にレーザーを用いる者にとっては誠にありがたいことではあるが、多種多様ということは、その中から目的となった診断・治療に対して最適なレーザーを選び出す知見と、適切な治療条件を決める方法論が必要となる。残念ながら、様々なレーザーが実用化されている割には、対象となる疾患部位・組織がレーザーを浴びたときにどのように振舞うのか、たとえば生体内でのレーザーの深さ方向への分布や散乱、それに伴う発熱、活性酸素の発生などの物理―化学プロセスを踏まえての議論、いわゆる「生体組織光学(Tissue Optics)的アプローチ」はまだ臨床に根付いていない。結果として、昨今のレーザー・光科学の急速な進歩に対し、この恩恵をレーザー医療が被るには、残念ながら数年以上のタイムラグ(デバイスラグ)が生じてくる。レーザーをさらに優れた治療法と位置づけると共に開発タイムラグを短くするには、対象となる生体組織と種々レーザーとの生体相互作用に対する知見の共有とそれを生かす治療法の開発、迅速なデバイス開発などが喫緊の課題となっている。

   粟津研究室では、上記を背景に先端レーザー技術を医療へ橋渡すためにさまざまな角度から研究を進めている。具体的研究テーマはHPをご欄頂きたいが、主なフィールドとしては①レーザー生体相互用の機序解明とその応用としての新規レーザー治療前臨床研究、②新規がん光線力学診断・治療法の開発、③生体組織の光学特性値計測、④歯科領域における光治療・診断法の開発、⑤レーザー脱離イオン化による高感度質量分析と生体質量イメージング技術の開発などである。

   最先端のレーザー技術というリソースをライフサイエンス分野に真っ先に役立てていくのが我々のミッションと心得、学生・スタッフ一丸となって研究を進め実用化への道を模索している。私たちと一緒に研究しませんか?大学院生として、研究生として、社会人博士課程学生としてなどいろんな枠組みが用意されています。興味のある方は、awazu[at]see.eng.osaka-u.ac.jpまでご連絡ください。

粟津署名