Clinical & Translational Biophotonics







光治療における計算機臨床試験法の基盤創出

新規医療・医用レーザー装置を迅速に臨床応用するための,生体組織光学に基づいた計算機シミュレーションモデルを開発しています.従来の前臨床・臨床試験では,治療のエンドポイントにおける組織観察によって安全性・有効性評価を実施しているため,レーザー生体相互作用に基づいた治療の定量解析ができません.また,試験に多大な時間・費用を要することが新規光学装置の迅速な臨床応用の課題になっています.さらには,化粧品に関する動物実験が禁止されたように,今後従来の試験が実施できない局面も予想されます.そこで本研究では,一連のレーザー治療プロセスのモデリングとレーザー生体相互作用のシミュレーションに基づいた計算機臨床試験法の基盤創出を目指しています.物理空間で実施されていた試験を計算機上で再現できれば,これまで障壁となっていた時間・費用・倫理上の制約を解消できます.このことは,計算機臨床試験という従来の前臨床・臨床試験に代わる革新的な新規光学機器の評価試験法の確立につながります.さらには,レーザー生体相互作用の数理モデルが確立されるため,全レーザー治療の評価に適用可能であり,新治療法の開発支援が期待されます.



関連論文

Yu Shimojo, Takahiro Nishimura, Hisanao Hazama, Nobuhisa Ito, Kunio Awazu, "Picosecond Laser-Induced Photothermal Skin Damage Evaluation by Computational Clinical Trial," Laser Therapy 29(1):61-72 (2020). 

Takahiro Nishimura, Yu Shimojo, Kunio Awazu: "Computer-aided Regulatory Science for Laser Medicine," Journal of Japan Society for Laser Surgery and Medicine 41(1):37-43 (2020). [in Japanese]