助教 内田 英明

UCHIDA Hideaki, Assistant professor

教員紹介

氏名 内田 英明        Hideaki UCHIDA
職名 助教                      Assistant professor
学位 博士(工学)    Dr.Eng.
領域 共生エネルギーシステム学講座 都市エネルギーシステム領域

研究のコンセプト:都市空間・電力系統・道路交通網の相互作用

アジア・アフリカを中心とした新興国での急速な都市化により,様々な環境問題の発生が懸念され,持続可能な脱炭素社会に向けた取り組みが各国で加速しています.エネルギー問題の根幹は急激に増大している都市のエネルギー需要に既存のインフラシステムが追従できていないことに起因するため,都市が有する複合的な機能をいかにしてエネルギー使用という側面から解釈し,整理し直すかが重要です.
人々が生活を営む都市空間の電力消費メカニズムを中心とし,エネルギー供給側の電力系統と,エネルギー需要側で大きな役割を担う道路交通網の間で生じる相互作用は,今後私達の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります.そこで,これまで電力系統によってのみ輸送されてきた電力エネルギーが,EVの普及により道路交通網によっても流通する未来において,脱炭素を達成する都市のインフラシステムの在るべき姿を考えていく必要があります.

内田 

研究手法・習得する技術

  • EV交通シミュレーション
    脱炭素社会においてEVの果たす役割は非常に大きなものとなります.これまで内田が開発に関わってきた交通流シミュレータADVENTURE_Matesは,EVを含む様々な要素を精緻に再現することのできるマルチエージェントシステムとして記述されており,新たな技術を反映するための拡張性に優れています.この研究テーマでは,以下に挙げたトピックに関する提案とモデル開発を行い,道路交通網ひいては社会全体にどのような効果をもたらすのかを定量的に評価することを目指します.
    – EVの充放電による系統制御
    – 充電設備の最適配置・料金プラン設計
    – 非接触型充電の利便性検討
    – 隊列走行によるエコドライビング

  • データドリブンなモデル構築
    これまで下田研究室で開発されてきたTREES等の需要モデルや,上述したADVENTURE_Mates等のシミュレーションモデルは,現実に観測される現象を精度良く説明できることが重要です.情報インフラの発展の結果,電力ではHEMSやスマートメーター,交通ではデバイスの位置情報やETC2.0等の豊富なデータが取得されている他,都市に関する様々なオープンデータも公開されるようになりました.この研究テーマでは,機械学習の考え方を用いてデータドリブンにモデルの開発・改良を行い,理論とデータの両面からモデル構築を進めていきます.

論文・著書リスト