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環エネTOPICS

2013年11月30日
受賞・報道・出版

紫外線が金属を透過することを確証

厚さ8ミリメートルの金属ナトリウムを透過した光による微小物体の撮像に成功(平成25年11月日刊工業新聞他で発表)(量子エネルギー基礎工学領域 福田武司教授)

一般に金属は紫外線を吸収するため、紫外線が金属を透過するとは考えられていませんでした。実際、様々な金属に対する紫外線の透過率が調べられていますが、数ミリ厚の金属を紫外線が透過する報告はありません。

紫外線が金属を透過することを確証1一方、まだ十分に紫外線透過率が調べられていない金属もあり、そのひとつがナトリウムです。ナトリウムの透過特性の研究は1930年代に遡りますが、正確な実験データの取得ができませんでした。ナトリウムは空気中のごく僅かな水分と反応して性質が変わり、透過率が損なわれます。正確な透過率を測定するための試料の作成が極めて難しい点が理由の一つと考えられます。

 

 

紫外線が金属を透過することを確証2今回、共同研究グループは、水分をほぼ完全に除去したナトリウム専用の実験施設を用い、フッ化マグネシウムという紫外線を通す特殊な窓材の間にナトリウムを挟み込むことで安定な試料の作製に成功し、その結果、真空紫外線と呼ばれる波長115-170nmの光が、厚さ1‐8mmの固体金属ナトリウムや温度150℃の液体金属ナトリウムを透過することを世界で初めて明らかにしました。

 

 

紫外線が金属を透過することを確証3さらに厚さ8mmのナトリウムの陰に隠れた物体の透視を行い、その像を明瞭に撮影することにも成功しました。今回の研究結果は、従来の理論では考えられない高い紫外線透過率を示しており、基礎科学の観点から、金属の光学的性質に新たな理論的課題を提供するものと期待されます。また,技術的観点からは、光を一切通さないと考えられてきたナトリウムの中で起こる種々の現象が紫外線により観測できる可能性を示したといえます。ナトリウムを使用する産業利用施設等における保守管理に必要なモニター装置開発につながる技術といえます。