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環エネTOPICS

2019年11月14日
教員・研究者

帆足 英二 准教授

教員紹介

氏名 帆足 英二
職名 准教授
学位 博士(工学)
領域 量子エネルギー工学講座 システム量子工学領域
領域HP

 

 

次世代原子力エネルギーシステムの実現に向けた研究

エネルギー需要が増加の一途を辿る現代、二酸化炭素の排出が少なく、少ない資源から大きなエネルギーを生み出せる原子力エネルギーの利用を避けて通ることは難しいです。将来の人類社会の発展・維持のためには、ウラン資源を有効活用できる高速増殖炉や、身近な資源からエネルギーを生み出せる核融合炉といった次世代原子力エネルギーシステムの確立が急務です。それら次世代原子力エネルギーシステムでは、液体金属が伝熱の媒体として活躍します。私たちは液体金属の伝熱特性あるいは導電性流体としての特性を活かしたよりよいシステムの構築に寄与していきたいと考えています。

液体金属の熱流動に関する研究

高速増殖炉では液体ナトリウムが、核融合炉では主に液体リチウムが使われますが、これらは水や空気と反応する危険物であるため、その扱いには注意が必要です。また核融合炉では、その熱の取り出しに液体金属を用いることが考えられています。これを行う機器を液体金属ブランケットといい、それには液体リチウム合金が利用される計画です。私たちの研究室には大型の液体リチウム循環装置があり、それを用いた液体リチウム噴流の流体力学的特性に関する実験的研究を進めています。また、液体金属は不可視の流体であることから、シミュレーションによる内部挙動の把握にも注力しています。実験、シミュレーションの両方から液体金属における伝熱流動現象の詳細な把握に努め、次世代原子力エネルギーシステムの開発に寄与していきます。

高熱流束負荷を受ける物質挙動に関する研究

核融合炉ではプラズマの過渡的事象により高い熱負荷が周辺構造体にかかります。特に、真空容器下部に設置されるダイバータという機器はその影響を最も受けます。表面物質のタングステンが溶融・凝固を繰り返すことがダイバータの寿命を短くします。そこで、強磁場下で溶融したタングステンがどのような挙動を示し、その後の表面構造にどう影響するかを解明することは、実用化に向けたダイバータ開発にとって非常に重要です。タングステンに熱負荷をかけてその挙動を観察するとともに、溶融・蒸発・凝固といった一連の相変化挙動を連続的に取り扱えるシミュレーションコードの開発を行うことで、核融合炉の実用化に寄与していきます。

論文・著書リスト

  1. E. Hoashi, S. Kuroyanagi, T. Okita, T. Maeji, K. Ibano, Y. Ueda, “Study on melting and solidification behaviors of tungsten loaded by high heat flux for divertor in tokamak fusion reactor”, Fusion Engineering and Design, Vol.136, Part A, pp.350-356, 2018.
  2. E. Hoashi, S. Yoshihashi-Suzuki, T. Okita, T. Kanemura, H. Kondo, N. Yamaoka, H. Horiike, “Study on Formation and Development of Surface Wave of Liquid Metal Lithium Jet for IFMIF”, Mechanical Engineering Journal, Special Issue on Nuclear Energy, Secure World, Vol.1, No.4, p.TEP0017, 2014.
  3. E. Hoashi, T. Yokomine, A. Shimizu, T. Kunugi, “Numerical analysis of wave-type heat transfer propagating in a thin foil irradiated by short-pulsed laser”, International Journal of Heat and Mass Transfer, Volume 46, No.21, pp.4083-4095, 2003.