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熱電変換材料の開発

熱電変換材料の開発

固体の熱起電力(Seebeck 効果)を利用して、熱を電気に直接変換する材料を熱電変換材料といいます。熱電変換はCO2など廃棄物を出さないクリーンな発電であるため、希薄に分散した廃熱の回収技術として注目を集めています。私達は金属からセラミックスまで、幅広く新規熱電材料の探索を行っています。

 

異常低熱伝導率物質群

一連のタリウムテルライドが通常では考えられないくらいの低い熱伝導率を示すことを、世界に先駆けて発見しました。一般的な熱電材料の熱伝導率が1~2Wm-1K-1であるのに対し、いくつかのタリウムテルライドの熱伝導率は0.2Wm-1K-1と非常に低い値を示します。この低い熱伝導率のおかげで、Ag9TlTe5という物質のZTは600 K以上で1を超えます。このような異常に低い熱伝導率の発現機構の解明とさらなる高性能化をめざして、研究をすすめています。

研究成果

 

ハーフホイスラー型金属間化合物

ZrNiSnやTiCoSbなどに代表されるハーフホイスラー型金属間化合物は、特に中高温域(700~800 K付近)で高い熱電性能を示すことから、廃熱回収型熱電発電用材料としての応用が期待されています。環境エネルギー材料工学領域では、ハーフホイスラー型金属間化合物の固体物性を明らかにするとともに、元素置換や作成プロセスの最適化などをとおして熱電性能のさらなる高性能化を図っています。

研究成果

 

環境にやさしい熱電材料

既存熱電材料には、テルルやビスマスといった有毒で高価な元素が多く用いられています。したがって、様々な産業分野における熱電発電技術の実用化のためには、資源量も豊富で毒性の少ない元素からなる高性能熱電材料の開発が必要不可欠であるといえます。環境エネルギー材料工学領域では、酸化物やシリサイド系材料で高性能熱電材料の開発研究をすすめています。

研究成果

 

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