研究テーマ
様々なシナリオを考慮した下水処理システムの総合的環境影響評価

担当:М1 新井 崇志, B4 長澤 佑気

【研究背景・目的】

 現在、地球温暖化問題に代表されるような地球環境問題を背景に持続可能な社会を構築することが求められている。その結果、社会的影響度が大きいインフラなどのシステムに関しては、そのライフサイクルにおける資源・エネルギー消費量や温室効果ガス排出量などの環境影響を、潜在的なものも含めて明らかにした上で、最適化するなどの適切な対処を行う責任が生じてきた。

 水環境の保全という観点から重要なインフラである下水処理施設においても同様なことが言える。すなわち、下水処理システムを、以前のように水質浄化という指標のみで捉えるのでは、もはや不十分であり、その環境影響を総合的に評価した上で、地域に適した下水処理システムを検討していくべきである。

 しかし、下水処理システムは、現在のところ、環境影響が部分的にしか明らかになっていない。この要因の1つに、システムの複雑さがある。下水処理システムは数多くのプロセスユニットで構成されており、更に各ユニット内においても多種多様な手段(技術や装置)があるため、結果として様々な下水処理シナリオが存在している。

 そこで本研究では、まず様々な下水処理シナリオを比較評価できる下水処理システムのシミュレーションモデルを開発し、環境影響を定量的に明らかにすることを第一の目的とした。さらに、そのモデルを用いて、代表的な下水処理シナリオの最適化や次世代型下水処理およびエネルギープラントシステムの提案をすることを第二の目的とした。




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