研究テーマ


担当:橋本 庸平(2004.04.01(B4)〜2007.03.31(M2))

1. はじめに
 ジメチルスルホキシド(DMSO)は自然界に広く存在しており、海洋の表層部及び大気中に存在するジメチルスルフィドが光酸化を受けることによって生じ、地球規模の硫黄循環の一環を担っている。また、DMSOは有機物や無機物に対して高い溶解性を示すとともに、比較的安全な物質であることから、工業的にも広く利用されている


2. 研究背景
 DMSOは有用な有機溶媒として様々な産業で広く使用されており、特に近年では、高純度・高品位が要求される電子工業の分野において、洗浄剤や剥離剤として多量に使用されている。DMSO生物の細胞組織に対して強い浸透性を示し、急性毒性を有しているため、生態系や人の健康に有害な影響を与える恐れがあると考えられており、DMSOによる環境リスクを最小限に抑える上では、使用後のDMSOを環境中に排出する前に適正に処理する必要がある。ここで、多量に発生するDMSO廃水に対して、オゾンや過酸化水素等を用いた物理化学的処理もあるが、一般的にエネルギー効率が高く、処理コストが安価な生物学的処理の適用が有効であると考えられる。しかし、現在報告されている生物学的処理では、理想的な処理効率が得られていないことや有害な中間代謝物が生成される等の問題が生じている。 そこで本研究では、DMSO含有廃水に対して、生物学的処理方法を取り入れた効率的かつ安定的な処理システムを構築することを最終的な目的としている。


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