研究テーマ
ジメチルスルホキシド含有廃水の生物処理に関する研究

担当:M2 橋本 庸平

【研究背景・目的】
ジメチルスルホキシド(DMSO)は、有機物や無機物に対して高い溶解性を示すことから有用な有機溶媒として工業・農業・医薬品などの各種産業で広く使用されている。特に近年では、高純度・高品位が要求される電子工業の分野において、洗浄剤や剥離剤としての使用が増大している。そのため、様々な製造工程で多量のDMSO廃水が発生しており、数千mg/l以上の高濃度のDMSO廃水が発生する場合も少なくない。また、DMSOは生物の細胞組織に対して強い浸透性を示し、急性毒性を有しているため、生態系や人の健康に有害な影響を与える恐れがあると考えられている。したがって、DMSOによる環境リスクを最小限に抑える上では、廃水中に含まれるDMSOを環境中に排出する前に適切に処理する必要がある。DMSO廃水の処理方法としては、オゾンや過酸化水素等を用いた物理化学的処理もあるが、一般的に処理コストが安価な生物学的処理の適用が経済的観点から有効であると考えられる。しかし、現在報告されている生物学的処理では、理想的な処理効率が得られていないことや有害な中間代謝物が生成される等の問題が生じている。そこで本研究では、DMSO含有廃水に対して、効率的かつ安定的な生物学的処理システムを構築することを最終的な目的としている。


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